「浄化槽のキホン」 - なぜメンテナンスが必要なの?
2025年6月28日 更新
「浄化槽」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどんな役割をしていて、なぜ手入れが必要なのか、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。このページでは、浄化槽の基本的な仕組みから、法律で定められたメンテナンスの重要性まで、わかりやすく解説します。
1. 浄化槽ってなに?
浄化槽とは、一言でいうと「家庭から出る汚れた水を、微生物の力できれいにする装置」です。
下水道が整備されていない地域で、トイレやお風呂、キッチンなどから出る生活排水を、川や海に放流する前に浄化する大切な役割を担っています。浄化槽の中では、たくさんの微生物たちが汚水に含まれる汚れを食べて分解することで、水をきれいにしています。
つまり、浄化槽は「小さな下水処理場」のようなものなのです。
2. なぜメンテナンスが必要なの?【浄化槽の3つの義務】
浄化槽が正しく機能し、きれいな水を放流し続けるためには、適切な維持管理が欠かせません。浄化槽法という法律では、浄化槽の管理者(多くの場合、その家の所有者)に以下の3つの義務を定めています。
① 保守点検
微生物が元気に働ける環境を保ち、装置が正しく作動しているかを確認する作業です。
- 内容: 機器の調整・修理、消毒剤の補充、簡単な汚泥の引き抜きなど。
- 頻度: 浄化槽の種類によりますが、家庭用では4ヶ月に1回以上(年3回以上)が一般的です。
- 依頼先: 都道府県に登録された保守点検業者に依頼します。
② 清掃
浄化の過程で発生した汚泥(微生物の死骸など)を、槽内から引き抜く作業です。これを怠ると、浄化槽の機能が低下し、悪臭や詰まりの原因になります。
- 内容: 専用のバキューム車による汚泥の引き抜き、付属機器の洗浄など。
- 頻度: 年に1回以上が義務付けられています。
- 依頼先: 市町村の許可を得た浄化槽清掃業者に依頼します。
③ 法定検査
浄化槽が正常に機能しているかを、公的な第三者機関が確認する「健康診断」のようなものです。保守点検や清掃が適切に行われているか、放流水がきれいになっているかを検査します。
- 内容: 外観検査、水質検査、書類検査など。
- 頻度: 年に1回。
- 依頼先: 都道府県が指定した検査機関から案内が届きます。
3. もしメンテナンスを怠ると…?
法律で定められているからというだけでなく、メンテナンスを怠ると私たちの生活や環境に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 悪臭や害虫の発生: 槽内の汚れが溜まり、不快な臭いやハエ・蚊などが発生しやすくなります。
- 排水の詰まり・逆流: 汚泥が詰まり、トイレやお風呂の水が流れにくくなったり、最悪の場合逆流したりすることも。
- 環境汚染: 汚れた水がそのまま川や海に流れ出し、水質汚染の原因となります。
- 行政指導や罰則: 法律を守らない場合、行政からの指導や改善命令、罰則の対象となることがあります。
4. まとめ
浄化槽は、私たちの生活と地域の環境を守るための重要な設備です。その能力を最大限に発揮させるためには、定期的な「保守点検」「清掃」「法定検査」が不可欠です。
どの業者に頼めばいいかわからない、という方は、ぜひ「浄化槽.jp」でお住まいの地域の優良業者を探してみてください。