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停電・豪雨・浸水時の浄化槽の使い方と復旧手順

公開日 更新日 情報の最終確認日 2026/09/01

この記事の結論

停電や浸水のときは、「排水を減らす」「濡れた電気設備に触れない」の2つが基本です。浄化槽そのものは停電中も水を溜めておけますが、ブロワーやポンプが止まっている間は処理が進まないため、使用は最小限にします。

  • 停電中:トイレなどの使用は最小限に。放流ポンプがある家は特に排水を控える
  • 水没した電気設備には触らない・通電しない。感電と故障のおそれがある
  • 浄化槽が冠水している間は使用を控える。水が引いてから外観と電気設備を確認
  • 再開の可否に迷ったら、自己判断せず保守点検業者・指定検査機関へ相談する

30〜60秒でチェック

  1. いま停電中か、浸水しているかを確認する
  2. ブロワーやポンプの電源部分が濡れていないかを離れた位置から目視する(触らない)
  3. 自宅に放流ポンプ(ポンプ槽)があるかを確認する。あれば停電中の排水は特に控える
  4. マンホールの蓋がずれていないか・浮いていないかを確認する
  5. 焦げた臭い・異音があれば、ブレーカーを落として保守点検業者へ連絡する

停電したとき

トイレは使えるのか

停電しても、浄化槽そのものは水を溜めておくことができるため、ただちにトイレが使えなくなるわけではありません。ただしブロワーが止まっている間は空気(酸素)が送られず、槽内の微生物による処理が進まない状態になります。停電中の使用は最小限にとどめてください。

環境省の自己管理マニュアルでも、電源を切るとブロワから空気が送られなくなり、槽内の微生物が死んだり働きが悪くなったりすると説明されています。停電は避けられませんが、その間の負荷を減らすことはできます。

放流ポンプがある家は特に注意

放流先の水路が浄化槽より高い位置にある場合など、処理した水をポンプで汲み上げて放流している設置(ポンプ槽つき)があります。この場合、停電中はポンプが動かないため、処理水が槽内に溜まり続けます。排水を使い続けると、あふれ出すおそれがあります。

  • 自宅にポンプ槽があるかどうかは、保守点検の記録票や業者への確認でわかります
  • ポンプ槽がある場合、停電中の洗濯・入浴・大量の炊事は控えます
  • 復電したらポンプが動き出したかを確認し、動かない場合は業者へ連絡します

復電したあとの確認

  1. ブロワーが動き出したか(振動・送風・運転音)を確認します
  2. 動いていない場合は、コンセントとブレーカーを確認します(詳しい手順はブロワーが止まったとき
  3. ブロワーが濡れていた形跡がある場合は、通電せずに業者へ連絡します
  4. 停電が長引いた後は、臭いや放流水の状態がしばらく不安定になることがあります。数日たっても改善しない場合は保守点検業者に相談してください

安全上の注意

停電中に発電機を使う場合は、屋外の風通しのよい場所で運転してください。屋内やガレージでの運転は一酸化炭素中毒の危険があります。また、濡れた場所での電気機器の取り扱いは感電のおそれがあります。

豪雨・浸水したとき

浸水中にすべきこと

浄化槽やその周辺が冠水している間は、排水の使用を控えてください。外の水位が高い状態で排水すると、汚水が逆流したりあふれたりするおそれがあります。排水口からゴボゴボと音がする、水位が上がっているといった症状が出ることもあります(ゴボゴボ音・逆流・水位異常)。

  • 冠水中にマンホールの蓋を開けない(内部の確認は水が引いてから)
  • 流されたマンホール蓋があっても、水中では捜さない。開口部への転落は重大な事故につながります
  • 蓋が外れている・ずれている場合は、周囲に立ち入らないよう目印を置き、業者・自治体に連絡します

水が引いたあとの確認手順

  1. 外観を確認する:マンホール蓋のずれ・破損、浄化槽本体の浮き上がりや傾き、周囲の土砂の流出がないかを見ます。
  2. 電気設備を確認する:ブロワーや制御盤が水に浸かった形跡があれば、絶対に通電しないでください。乾いたように見えても内部に水分が残り、漏電や発火の原因になります。
  3. ブレーカーを確認する:漏電ブレーカーが落ちている場合、無理に上げずに業者・電気工事店へ相談します。
  4. 業者に点検を依頼する:泥や砂が槽内に入ると処理機能に影響します。清掃や消毒が必要かどうかを含めて、保守点検業者に確認してもらいます。
  5. 使用再開の判断:点検を受けるまでは使用を最小限にします。再開してよいかの判断は、保守点検業者または指定検査機関に相談してください。
環境省は「災害時の浄化槽被害等対策マニュアル 第3版」(令和3年4月)を公開しており、地震と水害それぞれについて住民・自治体・業者の対応を整理しています。住民向けのチェックシートも収録されているので、実際に被災した場合は自治体の案内とあわせて確認してください。

地震のあとに確認すること

  • マンホール蓋・浄化槽本体:ずれ、割れ、浮き上がり、周囲の地盤の沈下
  • 配管:建物から浄化槽、浄化槽から放流先までの配管の破損・ずれ
  • 排水の流れ:流れが極端に悪い、逆流する場合は配管の損傷が疑われます
  • 臭い:普段と違う強い臭いは、配管の破損や槽の損傷のサインのことがあります

見た目に異常がなくても、地中の配管が損傷していることがあります。断水中は水を使えないため症状が出にくく、通水後に問題が判明することもあります。大きな揺れがあった地域では、次回の保守点検を前倒しして依頼することを検討してください。

被災したときの相談先

症状・状況ごとの相談先
状況まず連絡する先
ブロワー・ポンプが水没した、通電が不安保守点検業者(必要に応じて電気工事店)
浄化槽に土砂が入った、汚水があふれる保守点検業者・清掃業者
マンホール蓋の破損・紛失保守点検業者。道路や共用部に関わる場合は自治体にも連絡
浄化槽本体の浮き上がり・傾き・破損設置した工事業者または保守点検業者
使用を再開してよいかの判断保守点検業者・都道府県の指定検査機関
り災証明・支援制度・災害廃棄物の処分市区町村の窓口

災害時は業者も多くの依頼を抱えます。緊急性の高い症状(汚水のあふれ、漏電のおそれ、マンホールの開口)から優先して連絡し、状況を具体的に伝えると対応がスムーズです。

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日ごろの備え

  • 保守点検業者の連絡先を、停電時でも見られるよう紙にも控えておく
  • 自宅の浄化槽の型式・人槽・設置年、放流ポンプの有無を把握しておく(調べ方はこちら
  • マンホールの位置と蓋の状態を普段から確認しておく
  • 浄化槽の上や周囲に物を置かない(点検・復旧の妨げになります)
  • 保守点検・清掃・法定検査の記録票を保管しておく(3年間の保存義務があります)

自分で安全に確認できること

  • 離れた位置からの目視確認(マンホール蓋のずれ、本体の傾き、周囲の土砂)
  • 停電中・冠水中に排水の使用を控える
  • 復電後にブロワーが動いているかを、触れずに音と振動で確認する
  • 被災状況の写真を撮っておく(業者への説明や支援制度の申請に役立ちます)

やってはいけないこと

  • 水没した、または濡れた電気設備の電源を入れる
  • 冠水中にマンホールの蓋を開ける・流された蓋を水中で捜す
  • 漏電ブレーカーが落ちているのに無理に上げる
  • 泥や水が入った槽に、自己判断で薬剤を投入する
  • 屋内や換気の悪い場所で発電機を運転する

業者へ相談すべき基準

  • ブロワー・制御盤・放流ポンプが水に浸かった
  • 浄化槽から汚水があふれている、排水が逆流している
  • マンホールの蓋が破損・紛失し、開口部ができている
  • 浄化槽本体が浮き上がっている、傾いている
  • 地震のあと、排水の流れや臭いに明らかな変化がある
  • 使用を再開してよいか判断できない

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よくある質問

浄化槽は水を溜めておけるため、ただちに使えなくなるわけではありません。ただしブロワーが止まっている間は処理が進まないため、使用は最小限にしてください。放流ポンプで排水している設置の場合は、槽内に水が溜まり続けてあふれるおそれがあるため、特に排水を控えてください。
自己判断で通電しないでください。外側が乾いても内部に水分や泥が残り、漏電や発火の原因になります。保守点検業者に点検してもらい、交換が必要かどうかを判断してもらってください。
土砂や泥が槽内に入った場合は清掃が必要になることがあります。必要かどうかは槽の状態によるため、保守点検業者に確認してください。清掃は市町村の許可を受けた業者が行います。

公式の出典・参考情報

上記の公式情報は 2026-09-01 時点で確認しています。制度・仕様は変更されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。