浄化槽ブロワーの選び方|型式・風量・口数の確認手順
公開日 更新日 情報の最終確認日 2026/09/01
この記事の結論
交換用のブロワーは「人槽」ではなく、いま使っている機種の銘板(本体のラベル)から選びます。確認するのは「メーカー・型式・風量・吐出口の数(1口/2口)・散気方向・タイマーの有無」の6点です。
- 風量(L/min)は浄化槽の機種ごとに決まっている。大きければ良いわけではなく、勝手に変えない
- 配管が1本なら1口、2本なら2口(散気+逆洗)。2口は右散気・左散気の区別とタイマー設定まで確認
- 同じ型式か、メーカーが公式に案内する後継機種への交換が基本
- 型式が読めない・2口の設定が分からないときは、無理をせず保守点検業者に相談する
30〜60秒でチェック
ブロワーとは何をする機械か
ブロワー(エアポンプ・送風機)は、浄化槽の中の微生物に空気(酸素)を送り続けるための機械です。合併処理浄化槽では、送り込まれた空気で好気性微生物が活発に働き、生活排水の汚れを分解します。環境省令の使用準則でも「電気設備を有する浄化槽にあっては、電源を切らないこと」と定められており、ブロワーは24時間365日動かし続けるのが前提の設備です。
止まったまま放置すると、槽内の酸素が不足して微生物の働きが落ち、数日で臭気や水質悪化につながります。寿命は使用環境によりますが、ダイヤフラム(ゴム膜)などの消耗部品を交換しながら使い、本体が古くなったら同等品へ交換するのが一般的です。
まず銘板を確認する(型式がすべての起点)
交換用ブロワーの選定は、いま設置されている機種の銘板を読むことから始まります。銘板は本体の上面か側面に貼られていて、メーカー名・型式・風量・消費電力・電源(100V/50Hz・60Hz)が書かれています。
- メーカー名と型式:例「テクノ高槻 XP-60」「フジクリーン EcoMac60」など。そのまま検索や問い合わせに使えます
- 風量(L/min):型式の数字が風量を表していることが多い(XP-60=60L/min など)ですが、必ず銘板の記載で確認します
- 周波数:東日本50Hz・西日本60Hzで消費電力の表記が分かれている機種があります(現行機はほぼ50/60Hz両対応)
風量は「浄化槽の機種」で決まる
ブロワーの風量は、浄化槽メーカーが浄化槽の機種・人槽ごとに指定しています。同じ5人槽でも、浄化槽の型式が違えば必要な風量は異なります。そのため「5人槽だから40L/min」のように人槽だけで決めることはできません。
- 風量が不足すると:酸素が足りず処理能力が落ち、臭気や水質悪化の原因になります
- 風量が大きすぎると:電気代が無駄になるだけでなく、槽内の汚泥を巻き上げるなど処理に悪影響が出ることがあります
現在の機種と同じ風量(銘板の値)を守るのが原則です。浄化槽本体の取扱説明書に指定ブロワーが書かれている場合は、それが最優先の根拠になります。
1口か2口か(配管の本数を見る)
本体から出ている配管が1本なら1口タイプ(散気専用)、2本なら2口タイプ(散気+逆洗)です。2口タイプは、ろ材に付いた汚れを空気で剥がす「逆洗」を、内蔵タイマーで決まった時刻に自動で行います。
2口タイプではさらに次の2点の確認が必要です。
- 散気方向(右散気・左散気):吐出口のどちら側が散気かは機種・設置状況で決まっています。たとえばテクノ高槻のDUOシリーズは左ばっ気/右ばっ気の2種類があり、購入後に方向を変更できません。安永のEPタイプも左散気(GL)/右散気(GR)を設置状況に合わせて選びます
- タイマー設定:逆洗の回数・時間・時刻は浄化槽の機種ごとの指定があります。メーカーの初期設定のままで良いとは限らず、浄化槽メーカーまたは保守点検業者への確認が必要です
安全上の注意
そのほか購入前に確認する仕様
| 確認項目 | どこを見るか | ポイント |
|---|---|---|
| 吐出口径 | 現在の機種の仕様表・ホース径 | 家庭用はφ13(VP13)やφ18、20Aなど。合わなければホース・継手の交換が必要 |
| 消費電力(W) | 銘板・メーカー仕様表 | 同風量でも機種によって差がある。24時間運転なので電気代に直結(電気代の試算) |
| 騒音(dB) | メーカー仕様表 | 現行の家庭用は30〜40dB台が中心。寝室の近くに設置している場合は要チェック |
| 設置スペース | 現在の設置場所 | 本体サイズ・重量が変わると防振台や配管の取り回しに影響する |
| 保証・補修部品 | メーカー・販売店の案内 | 保証条件は販売店により異なる。補修部品の保有期間(例:テクノ高槻は生産終了から7年)も確認 |
旧型・廃番機種からの交換
いま使っている機種が生産終了していても、主要メーカーは公式サイトやカタログで後継機種を案内しています。例えばテクノ高槻はHPシリーズ→XPシリーズ、フジクリーンは旧MACシリーズ→EcoMacシリーズ、日東工器は生産終了品ページで後継を明示しています。当サイトでは公式情報で確認できた対応関係を後継機種の探し方(適合検索つき)にまとめています。
メーカー公式で確認できない組み合わせの「互換」をうたう情報だけを根拠に購入するのは避けてください。
購入前チェックリスト
- 銘板のメーカー名・型式を控えた(写真を撮った)
- 風量(L/min)が現在の機種と同じであることを確認した
- 配管の本数(1口/2口)を確認した
- 2口の場合:散気方向(右/左)を確認した
- 2口の場合:逆洗タイマーの設定値(回数・時間・時刻)を控えた
- 吐出口径・ホースが現在の配管と合うことを確認した
- 設置スペースに収まるサイズ・重量であることを確認した
- メーカー公式の仕様ページまたは取扱説明書で最終確認した
自分で安全に確認できること
- 銘板の型式・風量・配管本数の確認と写真撮影(電源や配管には触れない)
- 運転音・振動・本体の温かさをそばで確認する(正常でもほんのり温かい)
- メーカー公式サイトで現行機種・後継機種の仕様を調べる
やってはいけないこと
- 人槽や本体の見た目だけで風量の違う機種を選ぶ
- 2口ブロワーの散気方向・タイマー設定を確認せずに購入する
- 公式情報のない「互換品」表記だけを根拠に購入する
- 浄化槽の処理方式を変えるような改造・流用をする
業者へ相談すべき基準
- 銘板が読めず、取扱説明書や点検記録でも型式がわからない
- 2口ブロワーの散気方向・タイマー設定がわからない
- 浄化槽本体の取扱説明書で指定ブロワーが確認できない
- ブロワーが水没した・焦げた臭いがする(購入より先に安全確認が必要。止まったときの対処参照)
関連商品
テクノ高槻 XP-60
消費電力32W(50Hz)/39W(60Hz)。異常時に停止する保護スイッチ搭載。
安永エアポンプ AP-60G
吐出専用の省エネタイプ。常用圧力14.7kPa。
日東工器 LA-60E
定格圧力15kPa・吐出口φ18。リニア駆動フリーピストン方式。
よくある質問
公式の出典・参考情報
- 安永エアポンプ 浄化槽用エアポンプ よくあるご質問
- テクノ高槻 後継機種・互換性一覧
- テクノ高槻 DUOシリーズ(ばっ気方向は購入後変更不可)
- フジクリーン工業 ブロワ製品情報
- 日東工器 生産終了品(ブロワ)と後継機種
- 環境省 浄化槽Q&A(電源を切らない等の使用上の注意)
上記の公式情報は 2026-09-01 時点で確認しています。制度・仕様は変更されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。